top of page

害鳥(ハト・コウモリ)の生態と対処について

 初夏になりそろそろ梅雨の時期を迎えようとしています。それと同時に『害鳥』と呼ばれる鳥たちも活発に活動し始めます。以前にも『害鳥』についてお伝えしたと思いますが、今回は以前のお浚いとして和歌山県でも代表的な『ハト』と以前はお伝えできなかった夏の時期に活発になる『コウモリ』についてお話ししようと思います。
 まず『ハト』についてです。ハトはカラスやスズメと同じくらい人に最も近い場所で生きている鳥の一種であると思われます。「鳥と言えば何が思い浮かぶ?」と聞いてみると上位に挙げられる種類でしょう。公園や駅でエサをもらおうと人に寄って来る姿を見ている限り、人に慣れていて温厚な生き物に見えます。また地域によっては『平和の象徴』として保護鳥として扱われている種類もいます。人によっては「害鳥?」と思われる方もいるかもしれません。しかしながら、ハトは闘争本能の強い鳥です。市街地でエサを探している時はおとなしい様子でも、自分の巣を外敵から守るためとなれば、同じ生き物とは思えないほどの凶暴性を発揮します。さらにハトは集団で行動する習性があるため、一匹で行動している姿はまず見られないと思います。そのため、一匹のハトを相手にすることはなく、基本は複数同時に相手にすることになります。生態としてはハトの繁殖力が特徴の一つです。例として最も身近で見られる『ドバト』という種類で説明すると、ドバトの繁殖期は3月から11月ごろまでと長く、その間で平均5回、多い時で7回も卵を産むことがデータとしてあります。近年では室外機などの家庭用の熱を発する機械などをうまく利用し、冬の寒い時期にも卵を産む傾向があるそうです。またハトの主な天敵(外敵)はネコ、カラス、タカ、フクロウなどが挙げられますが、基本的にハトは市街地に生息しているため、直接接する機会は非常に少ないと思われます。ネコやカラスは市街地でも見かけられますが、この2種も人に駆除、撃退される対象になるため、市街地はハトにとって理想的な環境になると推測されます。これらからハトは繁殖能力の高い生き物であるといえるでしょう。ハトの被害には騒音や軽度の糞害から始まります。『休憩所』として短時間滞在するようになると始まりかもしれないです。その後は休憩所がハトにとって安心できる場所と認識すると『待機所』と定め、周囲でエサを狙う傾向や滞在時間が長くなるかもしれないです。さらに安心度が増すと『ねぐら』として糞害が増え『巣作り』の準備に入ります。巣を作ってしまうと繁殖を行うため、警戒心が強くなります。そのため、巣に近づく人間や他の生き物に対して凶暴的になりやすくなります。またハトにも帰巣本能があるため、何度も同じ場所に巣作りを行うことになります。さらにハトにも場所を問わない傾向があり、市街地にいても室外機などの温かいものの近くに巣を作る傾向があるため、マンションのベランダや庭など人間に最も近い位置に巣を作ります。縄張り意識が高いため、その段階まで進むと追い払うのは困難です。しつこいようですがハトは集団で行動します。複数いると考えてください。その光景を想像するだけでゾッとされるかもしれません。
 ハトの対策としてはまず上記の説明を考慮すると早期対策が大事です。現れるかもしれない場所に下記の対策を行うことをオススメします。ハトは家の塀やベランダの手すりに留まります。よって塀や手すりに市販で販売されている『ハト除けの有針剣山』を使用すると効果的と思われます。市販のもの以外であるとすぐに使えなくなることやハトに危害を加え外傷を与える結果になるかもしれません。よって市販のものを使用することをオススメします。またすでに『巣作り』を行ってしまっている場合は『忌避剤』という薬剤も市販されていますので、使用すると良いと思われます。特殊ジェル状タイプやスプレータイプ、霧吹きタイプなど種類はたくさんあります。天然成分を使用しているので人体やペットに害の少ない種類もありますが、臭いが強いものなどもあるため、購入の際には必ず説明欄を確認するようにしましょう。雨などによって流されてしまうことがあるので効果は短期間のみとなります。時々使用することをオススメします。他にも『反射材』や『鳥除けネット』も十分に効果的であると思われますが、ハト対策といっても近隣の方への配慮や許可を得てから行うようにしてください。上記で説明した『ハト除けの有針剣山』を使用する場合は家の塀では隣の家の敷地内になることもあります。『忌避剤』も公道に使用することはできません。『反射材』『鳥除けネット』も同様に適量を対策として使用してください。
 続いて『コウモリ』についてです。日没頃、空を飛び回るコウモリを皆さまも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?コウモリは空想の世界では血を吸う不気味な動物というイメージがあるかもしれません。しかし、私たちがよく目にするコウモリは、蚊やユスリカ、蛾などの害虫を食べる益獣となります。ですか、民家の屋根裏などに好んで住み着く習性があるため鳴き声や羽音などの物音、大量に発生する糞の臭いや汚れ、コウモリについているダニやノミの問題など様々な観点からやっかいな生き物でもあります。その上一度住み着くと勝手に出ていくということはなく、繁殖力も高いため、気が付くと「100匹以上に増えていた!」という事例もあったそうです。基本的に私たちの家に住み着くコウモリは『アブラコウモリ』(※イエコウモリともいいます)だと思って間違えありません。駆除の前にまずはアブラコウモリの生態や特徴に説明していきます。『アブラコウモリ』は体長5㎝前後、体重は5~10g程度。色は黒褐色・灰褐色・こげ茶などに異なります。性格は比較的におとなしく、人に噛みつくようなことはありません。日本での生息地は平野部や市街地になります。今回は害鳥としての紹介ですので、市街地での場合を中心にして説明します。市街地での具体的な住処・ねぐらとしては人家の屋根裏、軒下、屋根瓦の下、換気口、高層ビルの非常口裏、高架下、橋の下、倉庫内です。基本的に夜行性ですので、日の当たらない場所を好みます。そのため、日中は寝て、日没頃から活動を始めます。活動の季節は4月~10月になります。秋と冬は冬眠します。コウモリの食べ物は主に昆虫(ハエ、蚊、甲殻類など)その他としては果実や野菜、花の蜜などを食します。寿命としてオスは1~3年、メスは5年程となります。アブラコウモリ(イエコウモリ)は気温25℃以上の環境を好みます。地球温暖化やヒートアイランド現象によって、アブラコウモリが繁殖しやすい状況になっています。和歌山県にはエサとなる昆虫も多く、アブラコウモリの被害は増え続けています。アブラコウモリは小さく、羽を畳むと、大人の掌サイズに収まります。そのため、1~2㎝程のわずかな隙間から侵入して、巣を作ってしまいます。屋根裏のほか、軒下、外壁の隙間、あまり使われていない通気口やシャッターの隙間などにも住み着きます。ではコウモリが家に住み着くと、どのような被害や悪影響があるのでしょうか?改めて少し具体的に見ていきましょう。糞や尿で家が傷む、悪臭が広がる、鳴き声や羽音がうるさい、ダニやノミなどの害虫を連れてくる、病原菌に感染している可能性が高いなどの被害が多く報告されています。何より怖いのはコウモリが持っている病原菌です。家に住み着くコウモリがどんな病気を持っているのか、現状でははっきりしていません。そのため、むやみに触れるとは避けましょう。また糞や尿の被害からは細菌や害虫の発生源となります。コウモリに寄生しているダニやノミなどにも注意しましょう。
アブラコウモリはわずかな隙間から潜り込み不衛生な環境を作りだす厄介な存在です。しかし、実はコウモリも他の鳥たちと同じように『鳥獣保護法』という法律で守られています。そのため、許可なく捕獲・殺傷することはできません。たとえ保護という名目であったとしても触れるためには自治体への連絡と許可が必要になります。したがって、コウモリの駆除は「家から追い出す」という手段一択になります。一般の方が駆除する場合は、飛ぶことのできない子供がいる7~8月や、冬眠の時期は避けましょう。飛べない子供がいる時期に駆除を行うと、子供を傷つけてしまう恐れがあります。また冬眠の時期はコウモリが動かなくなってしまうため、追い出すことが困難になります。結論から言いますと『鳥獣保護法』という法律があるため、一般で行うのではなく、経験と技術、知識を持った専門の業者に依頼するのが、確実で安全です。しかし、様々な理由から個人で行われる方もいらっしゃると思われますので、簡単な撃退法を紹介します。まず、屋根裏に住み着いているコウモリをコウモリ専用の忌避剤で追い払います。忌避剤はスプレータイプや燻製タイプなどがあります。どちらもホームセンターなどで購入することができます。どちらを使用するにしても使用前に使用方法をよく読んで、製品ごとに定められた用法・用量を守って使用するようにしてください。基本的には広い空間には燻製タイプ、せまい空間にはスプレータイプが使いやすいです。コウモリ撃退法についての最大の特徴としては一般的に可能な手段としては忌避剤以外の手段は確実な効果がありません。超音波や磁石など様々な説がありますが、確実性がないためオススメできません。またコウモリは他の害鳥と違い、比較的高い場所に巣を作りますので、撃退の作業も高所になる場合がほとんどです。作業時間も日没以降になりますので薄暗い時間は、転落などの事故に十分注意しましょう。撃退作業と並行して巣の除去や糞尿の清掃、除菌なども行いますので被害によっては長時間になる場合もあります。この説明を聞いて「自分では自身がない」と感じられた方は専門の業者に依頼することを強くオススメします。
最後に『ハト』や『コウモリ』そして多くの鳥類は『鳥獣保護法』という法律で守られています。駆除といっても簡単に殺すことはできません。またハトの対策をいつくか説明しましたが、対策の中には「危害を加える可能性」のあるものもありますが、傷つけることも違反になります。このことをお忘れのないようにお願いします。また自分自身で対策できない場合や難しい場合は専門の害鳥駆除を行う業者に正式に相談や依頼すると良いと思われます。その業者によっては駆除に対する許可を得ている業者もありますので、心強いと思われます。以上で『ハト』と『コウモリ』の生態と対策についての説明を終えます。

ハト駆除

ハト駆除

ハトの巣撤去、ハトの追い出しを行います。

animal_koumori.png

コウモリ駆除

コウモリの追い出し、捕獲、消毒を行います。

bottom of page